プ、プ、プラナリアー!(前野*1っぽく)

幸村誠『プラネテス 4』 ISBN:4063289370
ここまで書いてISBNからたどれるキーワードに飛んでみたら、随分とたくさんの人が言及してるみたい。今更、という感じもするのだが、自己満足のために書き散らす。ちなみに、アニメ化されてるみたいだが、そちらには興味はない。
1〜3巻はちゃんと買ったのだが、この巻だけ漫画喫茶で流し読み(申し訳ないです作者様。いずれちゃんと買います)でざっと読んだだけで各所うろ覚えの部分が多い。その中でも気になったのが一番最後の部分。この部分が印象に残りすぎて前半部分はあんまり覚えてないくらい。人類初の木星到達を目指して何年も宇宙を旅した主人公が木星を目の前にして地球にいる人々に対して送ったメッセージの〆が「愛し合うことだけがやめられない」。えええええ。僕自身が愛とか恋とかの持つ力をあまり信用できないので(愛じゃ飯は食えません)、大上段に愛とか言われるとめちゃくちゃ胡散臭さを感じてしまうわけですよ(そのすぐ後で別の登場人物に「気安く愛とか言うな」とツッコませていますが)。ましてや主人公のハチマキは以前は「孤独すらもオレのもの。誰にも分けてやらねー」*1みたいなことを独白したり、なんのためらいもなく人類の宇宙進出に反対するテログループのリーダーを殺そうとしたりと、いわば「愛」とは逆サイドに位置していたわけで、それが同僚と結婚してしばらくたったら上↑のようなセリフを吐くまでに転向してしまったわけで、「人は変わる」とは言うものの、逆サイドに振れすぎじゃないの、とひどく違和感を感じてしまったのだ。もしくはその変化する過程がもう少し描かれていたら納得感はあるのだろうが、それじゃあただの恋愛漫画になっちゃうだろうしなあ。言いたいことはなんとなくわかるのだが、少々最後に詰め込みすぎたかな、と思う。うまく話を作るのって難しいっすね(水野晴郎みたい)。えらそうに。

*1:相当うろ覚えです