安野モヨコの『働きマン』を読んだ。面白いが、同時に重い。直接グサリと来るものがある。多分仕事をしていない人にはわからないだろうなあと思う。就職活動してる学生とか。仕事のためなら彼氏とのデートも平気でキャンセルする(あたりまえだと思うが)女が主人公なのだが、社会人になったら「仕事」と「プライベート」の比重をどうするか、ということは誰しも考えることだと思う。それはすなわちその人の「生き方」を反映しているからである。『働きマン』に出てくる人たちの「仕事に対する姿勢」というのはどれも「アリ」なものだと思う。好きか嫌いかはあるけど。働いて「金」という対価をもらっている以上、その対価に見合う「価値」を提供しなくてはならない。経過はどうあれ、結果が全てである。そのためには徹夜してでも血尿出しても帳尻を合わせるべきだと思う。必ずしも期待通りの結果を出せるとは限らないが、要はそれだけの「覚悟」があるか、ということなのではないか。「戦う姿勢」と言ってもいいかもしれない。「覚悟」のない奴とは一緒に組みたくないし、自分もその「覚悟」がなくなったら、もう仕事をするべきではないと思う。ただ、今後10年20年先に自分のスタイルがどうなっているいるか、またはどうあるべきかということを考えると、気が重くなる。「覚悟」を持ち続けるにはそれなりの燃料が必要だ。モチベーションである。正直ここ2年ほど、そのモチベーションが急速になくなってきていることは自覚していて、騙し騙しやっていていつまでもつか、というのが実情だ。もともと「何かになりたい」という「夢」はなく、「金がたくさん稼げればいい」ということしか頭にないのでしょうがないといえばしょうがないのだが。だから「○○になりたい」という「夢」を持って仕事をしている人達には尊敬を覚えると同時に「なったからってどうすんのよ?」とも思う。だからと言って釣りバカの浜ちゃんみたいに、仕事をほっぽらかして趣味に生きる気もしない(だいたい自分の趣味ってなんだろう?)。ずっと仕事ばっかりしているから仕事が好きだと思われていたが、別に仕事なんて好きでも何でもない。金をもらってるからやっているだけだ。やらなくていいなら絶対にやらない。このスタンスは社会人になったときから変わらない。「やるべきこと」だからやっている、それだけである。ただ、最近はもういい加減何かに追い立てられるような生き方というのがばかばかしくなってきている。これでやりたいことでもあればすぐさま今の仕事をやめるのだが、あいにくやりたいことは「何もしなくていいこと」と来ているので困ったことこの上ない。我ながらろくでもない夢だなあと思う。