ディ○ニーランド

以前(http://d.hatena.ne.jp/rainvox/20040415#1081998549)ディズニーランドに行ったことがないと書いたが、まだ見ぬエルドラドについて最近人から伝え聞く機会があった。いわく、

  • ジェットコースターが多い(「なんだ、富○急ハイランドなんじゃん」と言ったら「そういうことは言うな」と言われた)
  • 乗り物に乗って進むアトラクションが多い
  • とにかく奴らのペースに乗って話が進む

ということらしい。いわゆるテーマパークというものと相性が悪く(というかあの「やらされてる感」が嫌い)、その象徴としてのディズニーランドと自分との関係を考えると、薄ら寒いものがある。自分がディズニーランドに連行されたら気恥ずかしさから確実に悪態をついてバランスを取ろうとするのは明白であり、その瞬間の周りからの浮きっぷりたるや簡単に想像できてしまい恐ろしい。そのことを話すと、「でもディズニーランド行って、悪態ついてる人って見たことないんだよねえ」と言われ、ここで妄想が発動した。あそこは独裁国家なのだ。入国したとたん全てが監視下に置かれ、ディズニーマンセーのお題目を唱えない者は直ちに粛清されるのだ。全ての入場者の言動は常にチェックされ、少しでも怪しい行動を取った者は実行部隊(園内をうろつく着ぐるみ)に拉致られたリ、アトラクションの最中に闇に乗じて消されるに違いない。並んでいる間の言動は特に要注意だ。目をつけられると、アトラクションの乗り物のレールが切り替えられて前の乗り物と違うレールを進み始める。「あれ?前と違う所に行くよ?」とか言ってるうちに乗り物ごと濃硫酸のプールに落とされるのだ。1つ後ろの人達も「どこ行ったんだろうねえ?」と気にとめることもほとんどないに違いない。「プーさんのハニーハント」もやばい。「プーさんのマンハント」となり、いつもは黄色い蜂蜜だらけのプーさんが口の周りを肉片のこびりつかせながら真っ赤に染めてにやりと笑うのだ。
そもそも、この妄想を喚起させたのは、友人Uの北朝鮮旅行体験である。実は彼から「一緒に行かない?」と言われていたのだが、忙しいので断っていたのだが、それ以前にあまり気が進まなかったというのもある。話を聞くとこういうことらしい。いわく、

  • なぜかロシア経由でおんぼろ飛行機でないと行けない
  • 自由行動はなし
  • 中学校の部活動を見学するスケジュールがあるのだが、その「中学生」達は彼が教室に入っていくと一斉に彼のほうを向いてなにやら挨拶をしたらしい(気持ち悪い)
  • 食べ物が食いきれないほど出てくる(1人前が死ぬほど多かった)
  • 市中にも等間隔で人が立っており、与えられた役割を演じている
  • マスゲームがすごい

らしい。これを聞いて彼の国のツッコミどころの多さに驚いてしまったし、こういう外貨を落としてくれる「お客様」にとっては、彼らは彼らなりのもてなし方をするわけで、その意味では彼の国は国全体がテーマパークみたいなものだなあと思ってしまったのだ。このうちの一部はディズニーランドとやってることは全く同じである。主体思想搭がビックサンダーマウンテンであり、市中の人達は着ぐるみであり、マスゲームエレクトリカルパレードと花火だ。片やならず者国家認定された国家、片や優良企業(多分)なのだが、両方とも強烈な幻想(思い込み)を前提としているという点で似たような性質を両者は持っていると思う。しかもこの類似点は本質的なもので、僕は北朝鮮に対して感じる「きな臭さ」をディズニーランドに対しても感じるからこそ敬遠しつづけるのだろうと思う。

・・・まあ結局「僕があそこに行かないのは、行ったら粛清されるから」という詭弁をふるいたいだけなのだ。