本の系譜3 中学〜高校時代(後半)、浪人時代

印象に残ったものは横に★印をつける。相変わらず世間の売れ筋とはほとんどリンクせず。本屋で平積みになってる本とか賞を取った本とかそういう理由で読んだことがない。後に社会人になってそういう読み方をしている人達がいるということを知って「そういう人っているんだ」とちょっとビックリしたことを覚えている。

この頃になると、本屋に並んでいるような本で興味のわく作家はあらかた読んでしまっていて、現役作家はほとんど筒井康隆村上春樹以外読まなかった。別に金がなかったわけではないのだが、「読むものがない」状態だったのだ。今もそうだが、僕は「雑誌を買う」という習性がない。なんとなく「読み捨ての本」を買うことに抵抗があるのだ。そんなとき、家のダンボール箱に「日本文学全集」がぎっちり入っているのを見つけた。父親が昔買った物をそのままにしていたらしい。1冊1冊どれも分厚く(最低5センチはあったと思う)、しかもタダで読むネタが手に入ったので妙に嬉しく早速読み始めたのを覚えている。いわゆる20世紀前半の日本の小説をまとめたもので、片っ端から読んだが、結局『こころ』と『性的人間』しかあまり記憶に残っていない。大江健三郎の本はこの頃の本(おそらく1960年代)しか読んでいないので、彼がなぜノーベル文学賞をもらえたのか理解に苦しむ。この頃から弟をそそのかして読みたいマンガを買わせるという姑息な手段を使って読みたいマンガを読みはじめるようになった。