もう・・・

パ・リーグプレーオフ第1ステージ 1回戦 千葉マリン ●西武1-2xロッテ○ スコア詳細
2chの実況スレをROMりつつ、文化放送インターネットラジオを聞いていたのだが、

今年1年の西武の戦い方が凝縮された試合だな(大訳)

という書き込みが全てを物語っていたと思う。中島のここ一番でのやらかし、あと1本が出ない攻撃陣、フォアボールを選べない先頭打者、変わったとたん打ち込まれて試合を壊すリリーフ陣と悪い所が全部出た。これでカブレラまでいないのだから勝てるわけがない。やっぱりクリーンナップの代役が貝塚では威圧感がなさ過ぎる。まあ今年はさすがに日本シリーズには出て行って欲しくはないのでそうそうにお引取り頂きたいのだが(それでもソフトバンクとの試合は見たい)。まああの強烈な風がなければスン隊長の2ラン、堀の満塁弾が出ていたわけで、松坂の調子は失点以上に激悪だったのだろう。

今シーズンを振り返ると、まず投手陣の層の薄さが目に余る。西口、帆足、松坂以外の先発が試合を作れない。張がケガ、石井貴がダメ、河原も安定感に欠ける。涌井も突如乱れる。しかもリリーフ陣の駒が全然足りない。長田ダメ、星野も右相手に5割近くの被打率。森は相変わらずと惨憺たる有様だ。あげく豊田もここ数年の鬼神の如くの働きができなくなっていた。これでよく3位に滑り込めたなと思うのだが、これはひとえに8月以降の間隔の空いた試合日程のお陰で西口、帆足、松坂を効率よく使えたからに過ぎない。涌井も10勝はできると言われつつ結局交流戦で上げた1勝だけで、見ていても4回途中でいきなり四球を連発して降板というパターンが多かった。そんな中でも中日から移籍の宮越の活躍は他がイマイチだっただけによく目立った。最初はネームバリューのある正津のほうが扱いが上だったものの、敗戦処理をきっちりこなし実績を積み、ついに先発にまわり見事にローテーションの一角を守っていた。帆足が9月に入って調子を落としている今、松坂、西口に次いで信頼感のある先発だろう。それにしても正津、宮越の代わりに中日に行った大友、玉野が先日戦力外通告を受けたことを考えると中日ファンの皆さんにはごめんなさいというしかない。投手陣の課題は次世代を任せられるような投手の育成が全然進んでいないことだろう。20歳前後でローテーションを任せられるような素材が見つからない。ソフトバンクを見ると、和田、杉内、新垣、斎藤とローテーションの柱の投手は皆若く、あと5年は安泰だろう。引き換え西武は西口も30過ぎ、松坂もメジャー移籍の不安が絶えず、来シーズン以降の投手陣の顔ぶれが恐ろしい。松坂は今の状態でメジャーでどういうピッチングをするのか見たいから今オフメジャーに言ってもらいたい気がするが。なんとか任せられそうなのが山岸、岡本、山崎あたりだろうか。後は即戦力を大学・社会人ドラフトで取るしかない。黄金時代後の投手陣の基礎となった西口、石井、豊田を抜擢した東尾でも投手コーチに据えたらどうか。多分荒木じゃ無理。

野手陣も松坂に「球際に弱い」と批判されたようにお世辞にも内野に守備を安心して任せられる人材がいない。今日の試合の内野は中村・中島・石井・貝塚という投げてるほうにしたらたまったものではない守備陣ばかりで、結局そのうちの中島のエラーをきっかけに同点にされてしまった。野手陣は投手陣に比べれば人材は豊富で競争原理が働いていると思うのだが、経験が少ないとか、役割がわかってないとか、足が遅いとか、悪く言えば一長一短なのだ。シーズン開始直後に長期離脱した佐藤の代わりはしばらく赤田が務めていたものの、先頭バッターにあるまじき出塁率の低さと淡白さ、バントの成功率の低さのために、栗山にお鉢が回ってきた。栗山はかつての松井稼頭夫を髣髴とさせる攻撃的なバッティングが魅力的だが、守備・走塁に難があり、そのせいで2軍落ちした。中島も去年見せた活躍は影をひそめ、数こそは減ったもののゲッツーが取れない(今日も1つ取ったが、文化放送の解説の大塚光二の「あれでギリギリかー」という言葉が全てを物語っている)ためにランナーが残り、投手がたまらず打たれてしまう、というケースが多く、守備の悪さばかりが目を引く結果となった。攻撃も全体に淡白さが目立ち、犠牲フライで1点をもぎ取ったり、盗塁や右狙いのバッティングでひとつでも先の塁に進んで相手投手にプレッシャーを与えようという意識がほとんど見られなかった。カブレラも今年は「飛ばないボール」を意識しすぎたのか、例年ほどの活躍は見せず、和田は首位打者を取ったものの、前半の絶不調と得点圏打率の低さ(今日もその実績をいかんなく発揮していた)が目立ち、フェルナンデスも好不調の波が激しく、とくに交流戦中の不調は目に余った。来年はチーム全体の盗塁の数をもっと増やして欲しい。

結局のところ、去年日本一になった主要メンバーに変わりはなかったにもかかわらず、かみ合わない試合運びが一年を通して目立ったことが今年の最大の敗因だろう。なにしろ3点差以上を逆転した試合が9月に入るまでなかったのだ。先行されたらされっぱなしの試合も多かったが、同点で踏ん張っていて8回9回で変わった投手が打たれて負け、というのが一番多かったように思う(今日のパターン)。その意味でやはり上記2chの書き込みは言いえて妙だったと思う。まだシーズンは終わっていないが、今年のチームのMVPは?、といわれれば、西口しかいないと思う。明日は頑張ってください。