西武優勝

シーズン開始前に最下位を予想したのだが(ファンの癖に)、その予測は見事に裏切られた。西武の皆さんごめんなさい。暗黒時代到来の象徴として上げたデーブ大久保打撃コーチの功績が大きいと思う。試合経過を聞いていて、正直去年の勝ったり負けたりで借金が全く減らない時期と同じ感覚に陥る試合が多いのだが、とにかく攻撃面での大幅な底上げが優勝の大きな原動力であることは確かだった。毎年優勝していた黄金期が再来するのがはたしていいものかどうかはわからないが、とにかく投手陣の立て直しが来年以降の課題となるだろう。今年1年シーズンを見ていてよかったと思う点と悪いと思った点は、

よかった点

  • 和田・カブレラ抜きでも強力だった打撃陣。得点力の大幅な低下が予想されたが、それは生え抜きの若手が次々台頭する下地でもあった。安定感の増した中島、昨年同様ホームランを量産していたG.G.佐藤に加え、レギュラーに定着し3割を越す打率を残した栗山、一躍ホームランキングに踊り出た中村、50盗塁を達成した片岡と今後数年の活躍が期待できる選手が実績を伴ってレギュラーとして名を連ねる様は数年前を知るファンとしては「ついに来たか」と感慨深くなってしまう。
  • 層の厚い打撃陣。G.G.佐藤ブラゼルボカチカが怪我で先発を外れたときにそれをカバーする選手が次々と出てきた。後藤武、佐藤友、江藤などの8月以降の働きがなければ今ごろオリックスに追いつかれていただろう。個人的には佐藤友の復活(ある程度だが)は嬉しい。
  • 信頼のおけるグラマン。中継ぎ、抑えの投手陣は今年は文句無しでよかったのはグラマンくらいだろう。時々ポカはあるものの、十分信頼の置ける抑えを1年間果たしてくれたと思う。三井がことしは駄目な年だったのが残念だが、大沼がある程度使えるめどが立ったのはよかったと思う。小野寺はね・・・、正直微妙。岡本は2004年の日本シリーズカブレラ後遺症がまだ残っていたのには笑った。

悪かった点

  • 投手面の弱さ。オリンピック期間もあったが、涌井の調子が上がらなかった。岸や新加入の石井一もいいときとわるいときの差が大きく、先発ローテーション崩壊の危機はなかったものの、短期決戦など負けられない試合では不安はぬぐえない。交流戦での対阪神、中日といった投手力のあるチームに対しては共に1勝3敗と完敗の形だった。打線が打てないときに我慢できる守備力が今後の課題だろう。
  • 守備の不安。あいも変わらずファイヤーフォーメーションと揶揄される内野陣。ショートに定着して4年目の中島の守備はようやく見れるようになったものの、楽天に逆転を食らった9月23日の9回表の守備は結局ショートとサードのミスがグラマンの足を引っ張った。ゴールデングラブ級などは望むべくはないが、せめて普通レベルの守備力は欲しい。
  • 負けが込むと立て直せない脆さ。去年も10連敗する時期があったが、和田も去り、高木浩も引退となると実績のあるベテランはいよいよいなくなってしまう。西口も若手を引っ張るという性格ではないし、かつての石毛のような実績のあるチームリーダーが欲しい所だ。

といったところか。勢いだけで突っ走った今シーズンは何はともあれリーグ優勝という結果をもたらしてくれたが、就任初年度で優勝したのは前任、前前任ともに達成済みなだけに、来年は渡辺監督の手腕のお手並み拝見といったところだろう。今後の予想としては日本シリーズには出るものの、阪神に4勝1敗くらいでボロ負けしそう。