西武豊田

西武豊田は2億3000万でサイン (ソース:日刊スポーツ)

初回提示の2億でもめてたのは知ってたのだが、いつの間に契約更改していたらしい。58試合 2勝3敗38セーブ 防御率 1.24(google:豊田清 通算成績)と、抜群の安定感(8月11日の近鉄戦までは自責点はなんと1だった)で試合の最後を締めていたのだから、「査定以上の評価をしろ」という豊田サイドの意見はまあわかる。実際豊田がいなかったら西武の負け数はもっと多く、最後までダイエーを苦しめることはなかっただろう。140Km後半のストレートに加え、コントロールのよさとキレのあるフォークボールはぜひ一度見てほしい(インターネットライブ中継でタダでネット経由でも西武の試合が見られる)。佐々木亡き後、「高津劇場」とか「スクルメタ劇場」とか「炎上系」といったあまりほめられない修飾語がここ1,2年の日本プロ野球界のストッパーに贈られる中(これはラビットボールの影響もかなりあると思う)、9回をあっさりと3人で抑えるストッパーは西武豊田くらいなものだろう(ロッテ小林雅もいるが)。
気がかりなのが、シーズン終盤になって、森慎二ともども登板過多による疲労のせいか、ボールのスピード、キレがなくなったことである。素人目から見ても「使いすぎ」がわかるくらいで、今後の選手生命に影響がないかとても心配だ。つくづく、今年ロッテで引退した橋本武は(ワンポイントとはいえ)丈夫だったのだなあと思わせる。結局2003年の西武投手陣の中で頼れたのが松坂、森、豊田しかいなかった(数字からすれば後藤、三井もそこそこの成績を残してはいるが)ことが優勝を逃した最大の原因であり、森、豊田を無駄に投げさせることのない(ブルペンでの投球練習も含めて)ような投手の育成が急務だろう。実際2003年8月のオリックス戦で、8回終了時で5,6点勝っていたために別のピッチャーを9回に投げさせたらたちまち点を取られて慌てて豊田を出して逃げ切った、という試合があった。こういう「豊田頼み」の状況が祟ってか、8月終盤以降、日本ハムに打たれたり(結局今年の3敗は全て日本ハムからだった)、右手の怪我のもととなったロッテ戦ではファンタジスタ(あらゆる意味で)こと初芝に打たれたりと(これは前のバッターを振り逃げにしてしまったキャッチャー細川のせいも多分にあるが)、シーズン序盤の豊田からは考えられない結果に終わることも多かった。
2004年は8月に松坂、豊田、許、張の4人がオリンピック出場のためチームを離れる可能性が高く、穴埋めを誰で補うかというのは頭の痛い問題だ。だが逆に考えると、野手陣同様新しい選手が台頭する可能性もあることになる。個人的には今年ダメだった青木あたりに裏ストッパーをやってもらって豊田の負担を減らしてもらいたいのだが。

それにしても、先発型だった豊田をストッパーに回した東尾監督(2001年当時)はすごいな。